子供の発達と心理
子供は環境から刺激を受け、ココロで感じ取り、成長している
当たり前のことかもしれませんが、
子供は育つ環境や、周りの関わる人の影響を
大きく受けています。
今日は子育て世代のお母さんお父さん、
そして妊娠中のお母さんとそのお父さんに
読んでいただきたいブログです。
私自身も子育てをする親として
子供との接し方の難しさを日々
考えさせられる毎日です。
自分の口癖、思考習慣が面白いくらいに、
子供に伝染します。楽しみもありますが、
反省も多い毎日です(>_<)
もう昨年になりますが、
「子供の発達と心理」に関することを、
日本心身医学関連学会合同集会を通じて
学ばせていただきました。
そのことにより一層親として、
日々の子供への関わりや夫婦間の思いやりが
いかに大切か自覚するとともに、
自身の親への感謝も改めて感じました。
ということで、
今回は「子供の発達と心理」について
各講演で聞いて勉強になったことを
まとめています。
生まれたときから、いやお腹に宿った
その瞬間から、子供も1人の人間。
大人と全く同じで心があります。
子供の成長には心理的な側面も配慮する
ことの重要性が昨今では当たり前のように
言われています。
私たちは生まれれる前から子供に影響を与えている
DOHaD(ドーハァド)聞いたことありますで
しょうか?
DOHaDとは、、、
「生命誕生前後から早期の成長発達は、
その後の健康と疾病発症リスクに影響する」
という概念です。
この発症するリスクのある疾病として、
高血圧・冠動脈疾患・II型糖尿病・
脂質代謝異常、そしてうつ病・統合失調症・
行動異常・乳ガン・前立腺ガンなどが
挙げられています。
ですから、妊娠中の母親の食事・ストレスは、
子供の低体重や成人後の生活習慣病にまで
影響するということです。
子供の未来にとってそんなにも影響のある
大切なことだからこそ、母親任せにするのでは
なく、父親や周りのサポートも大切になります。
今は紙オムツやネットスーパーなど
昔と比べて便利な面は多々あります。
しかし核家族化した現代にいて、
精神的にもマンパワー的にも孤立した
お母さん1人が、やらなければならないことは
家事育児併せて膨大な仕事量になっています。
現代において子育てすることは、
今までで1番困難な時代になったとも
言われています。
そこへの配慮を私自身が妻に対して出来て
いるのかと言われれば、まだまだ配慮が
足りないところが大いにあるのが事実
ですので、そこはご了承下さい(^_^;)
ただ、お母さんに対して
周りのサポートは必須であるということは
言えると思います。
例えば、学会にて親のストレス・精神状態が
いかに重要かを示す例として挙げられていたのは
「虐待」についてでした。
虐待を受けた子の前頭前野(情動・行動に
関与する脳の一部)は萎縮して、
感情のコントロール(自己制御能力)や
問題解決能力が向上しにくくなります。
これは「愛着障害」と言われます。
虐待とは、子供へだけでなく夫婦間も含まれます。
子供への体罰・暴言と同様に、夫婦間のDVや暴言も
子供が目にしたり聞いたりすると、感情の
コントロール(自己制御能力)や問題解決能力が
向上しにくくなります。
すると、衝動性や怒りのコントロールが出来ずに
問題行動があったり、他人へ無関心になって
しまうのです。
さらにそれだけでは終わりません。
もし愛着障害の子供が親となった時に、
今度は自分の子供との情緒的な絆を築くのが
難しくなります。(ボンディング障害)
「被虐待者の67%は虐待者になり得る」
という統計も出ています。
学会中の講演では虐待が例として挙げられて
いましたが、虐待とまではいかなくても、
子供にどういった言葉がけをするのかでも
子供への影響力は大きいと思います。
ですから子供のためとは言え、
子供を叱るときなど、子供に何か大切なことを
伝えるときに「どの言葉をチョイスするのか」は
とても大切な親の役割であり、責任であるのかなと
感じました。
では夫婦としてどのように、妊娠中、
そして子育てを取り組めば良いのでしょうか?
子供に親は何が出来るのか?
具体的な対策(これは、子育て中のお母さんに
とっては普通のことかもしれないですし、
そうは言っても理想通りにはいかないと
思われる方もいらっしゃると思います。
しかし知っておくことは、少なくとも
マイナスにはならないです。出来ることだけ
実践していただけると嬉しいです。)
◎赤ちゃんが泣き止まない時は、おむつが汚れて
いるとき、お腹が空いているときが多い。
泣き止まない時はまずは確認してみる。
◎生後20か月の間に母親泣かせの
むずがり期が10回ある。
この現象は脳の飛躍的発達前触れと考えられ
ている。
正確に10回という保証はできないのですが、
いずれむずがり期は収まることを覚えておいて
いただけると、少しは気持ちが軽くなるかも
しれません。
◎目と目で向き合い、手で触れて、子供に
微笑みかける。これが基本的で大切なこと。
という事は、スマホを見ながらの授乳は
目と目が合いにくいので避けた方がよい。
ということです。
◎テレビ、ビデオの見せ過ぎは、
コミュニケーション能力の獲得に悪影響を
与えることが海外の研究で明らかになって
います。特に授乳中と食事中は避けた方が
よいです。
例えばアメリカの小児科学会は、
18ヶ月未満の子供はテレビ電話以外の
スクリーン視聴は基本的に避けるべきとしている。
またフランスでは、2008年から3歳以下の
幼児対象専用テレビ局以外は、3歳以下の幼児を
対象とする番組の放送、宣伝をすることを禁止
している。
また専用テレビ局は、「テレビ鑑賞は、たとえ、
幼児を対象にした番組であっても、3歳以下の
幼児の成長の妨げになることがあります」という
警告メッセージを表示しなければなりません。
まるで害があるのを理解して利用してくださいと
言わんばかりです。タバコの箱にもたしか
そういった表記義務がありますよね。
ちょっと過剰な気もしますが、国を挙げて、
テレビをそのように捉えているということです。
もちろん実際の子育ての現場では頼らざるを得ない
ときもあると思うので、完全にテレビなどを
排除することは難しいですが、上記の事実は
みなさん知った上で使い分けできるようにしたい
ですよね。
他にも、子供について学会では下記のようなことが
言われていました。
◎暴力的なゲームは自分の痛みを感じる中枢を興奮
させるが、他人の痛みを感じる中枢は減弱させる。
さらにゲームの影響により、子供は怖い夢を見るように
なる。
◎スマホアプリ使用時間と学習意欲の低下には
相関性があることもデータとして出ている。
◎子供の発達・成長には食事、睡眠など生活
リズムを整えることが大切。子供にとって
22時は深夜。
◎朝食を家族皆で食べた方が絆が深まり、
子供の情緒が安定する
◎読書、絵本の読み聞かせが多いほど、
コミュニケーションスキルが高くなる
◎夫のできることとして、「手伝おうか?」と
当事者意識のない発言はNG。
妻がストレスを抱えていて攻撃的になっている?と
感じたときには「そっかぁ」「そうだね」と
まず話を聞く。たとえ受け入れられなくても、
まずは受け取ることが大切です。
と言いつつ、私はまだまだそのレベルには
達してはいないのですが…(笑)
最後に
今回思ったことは、自分自身が人間として
豊かになること、成長することが、
子供にとっての成長に繋がってくるのだな、
ということです。
子供のため、妻のため、自分のために
思いやりを持って日々成長したいと思います。
参考:
・日本心身医学関連学会合同集会
(日本心身医学会、日本心療内科学会、日本歯科心身医学会、日本皮膚科心身医学会の合同学会)
・日本産婦人科学会「母子の愛着形成について」
・内閣府「青少年に関する調査研究等」