体外受精時に胚移植する初期胚・胚盤胞 【グレード(評価)について知っておいて欲しいこと】
体外受精時に胚移植する初期胚・胚盤胞 グレード(評価)
体外受精時に胚移植する初期胚・胚盤胞の
グレード(評価)について時々ご質問を
いただきます。
良いグレードのときには、そのままを受け取って
いただけると良いです。
ただし良くないグレードのときには額面通りに
捉えるのは避けていただきたいです。
ここでは、
①グレード(評価)の基準
②妊活を成功させるために、そのグレードを
どう活かしていけばよいのか?
2点をお話ししたいと思います。
その前に、この移植胚のグレード(評価)が
「体外受精のどこの段階で出てくる話なのか?」
を理解するために、「体外受精」の流れを下に
記載します。
≪体外受精の流れ≫
排卵抑制剤→排卵誘発剤→
卵胞の数と大きさチェック→排卵を起こす注射→
採卵・採精→受精(体外・顕微)→培養→胚移植→
黄体補充→着床→妊娠判定
この胚移植前の「培養」の段階で胚の評価を
行います。ここでの評価は基本的にクリニック
で教えていただけます。
それと、培養によって受精卵がどういった
成長過程を辿るのかを下に記載します。
下記の成長スピードで順調に成長すれば、
それだけ妊娠も近づくということです。
≪培養による受精卵の成長過程≫
1日目 前核期
2日目 4細胞期
3日目 8細胞期
4日目 桑実胚
5日目 胚盤胞
6日目 ハッチング胚盤胞
そしていよいよ、
①グレード(評価)の基準
になります。
①グレード(評価)の基準
■初期胚(4~8細胞期の胚)(採卵から2日目もしくは3日目)のグレード
Veeck分類(ヴィーク分類)
ポイント!
「割球の大きさが均一かどうか、フラグメンテーションが多いか少ないか?5段階で評価」
↑良い
G1 フラグメント(細胞の断片)がなく、細胞が均等に分割している
G2 フラグメントが少しだけ見られるが、細胞は均等に分割している
G3 フラグメントが少しあり、細胞の均等は不均等
G4 フラグメントが多く、細胞の均等は不均等
G5 フラグメントがかなり多く、細胞の均等は不均等
↓悪い
※基本的にはグレード1~3までが胚移植の対象となります。
■胚盤胞(採卵から4日目~6日目)のグレード
Gardner分類(ガードナー分類)
ポイント!
「胚胞腔の広がり等、どのくらい成長しているのか?6段階で評価。
そして、胎児になる内細胞塊の細胞数が多いものからABCと3段階で評価。
さらに、胎盤になる栄養外胚葉の細胞数が多いものからABCと3段階で評価。」
基本的には6AA~1CCまであり、6AAや6ABや4AAだと良好胚。
ただし、
◎6~1はあくまで成長の段階
◎AA、AB、BAの方が妊娠率は高い
↑良い
AA
AB
BA
|(中略)
BB
|(中略)
CC
↓良くない
②妊活を成功させるために、そのグレードを
どう活かしていけばよいのか?
私があなたに覚えておいてほしいことは、
評価に絶対はないということです。
もちろん胚培養士さんが、今ある受精卵の中から
最良の受精卵を見極めるために評価をつけて
くれていますが、あくまで目視(見た目)によって
行われるものなので、評価が悪いからと言って
諦めないでください。
もちろん明らかに、妊娠の確率が低い場合は
胚移植の「ゴーサイン」も出ませんので、
次回の採卵に備えましょう。
基本的には、見た目の評価が妊娠率や流産率に
与える影響を正確に予測すること難しいと
言われています。なので評価に関わらず
全ての受精卵は妊娠する可能性を持って
います。
きっとそのような説明もあるかと思います。
また、良好胚の重要なポイントとして
「見た目」以外に「成長スピード」が
あります。
「培養2日目 4細胞期」
「培養3日目 8細胞期」
「培養5日目 胚盤胞」
と分割成長していると理想的です。
胚はスムーズに成長していく卵もあれば、
ゆっくり成長していくもの、途中で止まったりする
ものもあります。
「適切な成長スピード」=「受精卵の生命力」
とも言えるかもしれません。
必ずしも評価の良い胚が妊娠して、
評価の悪い胚が妊娠できないというものでもない
ですから、あくまで目安と思って「出来ること・
準備」をしていきましょう。
最後に
以上が、
体外受精時の初期胚・胚盤胞
【グレード(評価)について知っておいて欲しいこと】
になります。
あなたの疑問・不安は解決されましたでしょうか?
疑問・不安がスッキリ解決し、ストレスが少しでも
減ってあなたの妊活がさらに一歩前に進みますように。
妊活・不妊鍼灸にもご興味のあるあなたはこちら↓
https://www.seishindo89.com/fertility-treatments/