【鍼灸についてさらに詳しく】③なぜ鍼灸が効くのか?根拠(研究について)
なぜ鍼灸は効くのか?根拠(研究について)
なぜ鍼灸は効くのでしょうか?
鍼灸刺激は自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、
その結果として、中枢性及び反射性の「筋緊張の緩和」、
「血液及びリンパ液循環の改善」等の作用があり、
ひいては、「生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)」に
働きかけるのではないかと考えられています。
鍼灸の3つの作用
大きく分けるとこの3つの作用があり、それらが身体症状を改善に導きます。
❶「自律神経調整機能」
ツボを刺激することで、交感神経の過剰な緊張が緩和され、
筋肉内の血流が改善されます。また副交感神経も活発になり、
自律神経のバランスが整えられます。
さらには、自律神経調整や血流改善の結果として
ホルモン分泌(内分泌系)を促進・安定させます。
➋「免疫作用」
白血球数(細菌やウィルス、癌細胞に対して
攻撃する血液細胞成分)が増加して、免疫調整
機能が高まり、風邪をひきにくくなります。
また免疫系は自律神経の影響も大いに受け
ます。自律神経の乱れは免疫力の低下を招き
色々な病気の原因になるので、鍼灸にて
自律神経をコントロールすることが、
免疫機能の安定化にも繋がります。
❸「鎮痛作用」
鍼灸をすることで、脳からモルヒネに似た成分が放出され、
痛みに対して麻酔のように作用します。
※以前より言われている「鎮痛効果」の根拠には次のようにいくつか説があります。
・ゲートコントロール…針刺激が脊髄において痛みを抑制する。
・エンドルフィン…針刺激がモルヒネ様鎮痛物質の遊離を促し痛みを抑制する。
・末梢神経の遮断効果…針刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断する。
・経穴(ツボ)の針刺激による痛覚閾値の上昇による鎮痛効果。
・血液循環の改善…筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする。
「はり」「自律神経の調節」「血流改善」についての数々の研究
「はり」「自律神経の調節」「血流改善」については、
下記のように様々な研究がなされています。
◆鍼の効果の本質 - 向ホメオスタシス効果 (公財)国際全人医療研究所代表理事
国際学術大学院大学ビクトル・フランクル講座名誉教授
千代田国際クリニック院長
永田 勝太郎先生
◆健康と自律神経・血液循環の関係について ドイツ・ボッフム大学永代教授
北関東循環器病院
南 和友先生
◆鍼治療の自律神経調節・抗ストレス作用、鎮痛作用 ウイスコンシン医科大学教授
クリニック徳院長
高橋 徳先生
◆鍼刺激による血液循環改善作用の反射性メカニズム 東京都健康長寿医療センター研究所
自律神経機能研究室 研究部長
堀田 晴美先生
◆世界で注目される「はりきゅう」 医療法人社団聡叡会
あすかクリニック紀尾井町院長
一般社団法人日本統合医療支援センター代表理事
織田 聡先生
「鍼灸に期待される効果」厚生労働省
最後に厚生労働省の調査・研究から
「鍼灸に期待される効果」についてです。
・活動性の回復・向上 :疲労回復・体の軽さなど全身状態の改善、
循環機能・呼吸機能などの改善
・ADL(日常生活動作)の向上 :腰痛・膝痛、その他の疼痛の改善
・転倒予防・活動範囲の拡大 :下肢の支持力・歩行状態の改善
・抵抗力・免疫力の向上 :食欲・胃腸症状の改善、栄養状態などの改善
・睡眠の質などの改善 :睡眠状態の改善、排尿・排便状態の改善
・抵抗力の向上 :T細胞系細胞数の増加、機能の活性化
・精神状態・うつ症状の改善 :気分の改善
・認知症・精神障害の予防と改善 :脳機能の改善
(厚生労働省・シルバー鍼灸マッサージ等調査研究及びその他の研究から)
上記のようなものが鍼灸に期待される効果に挙げられています。
最近では、世界的にも鍼灸が見直され、中国・韓国はもとより、
米国やヨーロッパ各地でも盛んに鍼灸が行われるようになりました。
また、鍼灸の効果の研究は、各地にある公的な研究機関、医科大学、
医療機関、鍼灸大学、などで意欲的に進められております。
近い将来、鍼灸の治療効果が科学的に明確に解明される日が期待されます。
参照:公益社団法人日本鍼灸師会「鍼灸のすすめ」「はりきゅっていきましょう!」
「科学も認めるはりのチカラ」「科学も認めるはりのチカラ2」
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